C93お疲れ様でした

このブログは「なんかのテーマごとの記事を出したい時」用に使っていたんですが、渡辺さんのブログを見て「べつに日記みたいなことを書いてもいいか」と思ったので、たまには日記っぽい記事を書きます(というかそもそもブログというものが生まれた本来の目的はそっちだと思うが)。最近あったことなどつらつらと書きます。

 ■冬のコミックマーケット93、お疲れ様でした。

すでに一月が過ぎようとしておりますが、参加なさった方々、お疲れ様でした。今回のコミケ、GOオルタ上巻が炎上した件もあったので、悪意のある参加者から生卵をぶつけられるんじゃないかと半ば本気で心配していたのですが、全然そんなことはなく、むしろいつも以上に穏やかに終了いたしました。そんな度胸のあるやつはおらんかった。というかそれどころか、買いに来てくれた方々が「上巻が面白かったので下巻も書いに来ました!」と次々に言ってくれたり、炎上の件を心配してくださって、応援してることを告げてくれた方がいたりなど、むしろいつも以上にウチの本を手にとってくださる方々の暖かさが身に染みるイベントでした。まじで泣きそうでした。本当にありがとう……。あと、ななまるさんと赤羽さんの差し入れがめっちゃおいしかったです(唐突)。

下巻があの分厚さだったのと、下巻の告知ツイートが上巻の告知ツイートにくらべて伸びなかった(RT数が減った)ので、ちゃんと売れるのか心配だったのですが、頒布もお陰様で順調でした。なにもかもが「良かった」という安堵で満たされたイベントでした。

■GOオルタ下巻の内容について

普段はあんまり自作解題みたいな語りはしないんですが(恥ずかしいから)、まあ今回はそれなりに思い入れもあったのでちょっと書きます。わざわざこの記事を見てくれる人だからもう下巻は読んでると思うけれども、ネタバレなことも書くかもしれないから心配な人は回れ右してね。ちなみにどうでもいいけど「GOオルタ」って略称は自分で決めたんですけど、脳内で発語する際にいるも「GOオタル」って混同しかけて、GOオタル……Goおたる……小樽……観光に行きてえな……という気持ちになります。極めてどうでもいいですね。ごめんなさい。でもわたしどうしても言いたかったの。ごめんね。

■下巻で書きそびれたことについて

下巻……というかGOオルタは色々な意味で「手に余った」感があった話になったなー、とか思っていて、伏線をすべて回収しきれなかったというか(あえて回収しなかった伏線もかなりあります)、設定的にすべてをうまく畳きれなかった感じだったので、そこが若干心残りだなあという気持ちがあるようなないような、ないようなあるような……。チラ裏の話なので、べつに読まなくてもいいコトなんですが、具体的にいうと、家康のこととかはもっと書くべきだったなーーーーーーー!!!!というお気持ちがあり、後悔があるような気がしないでもありません。でも正直、おじいちゃんを書く趣味はないので、書いてもモチベーション上がらなかったよな……みたいなアレがあります。すまん家康。

今回は最終章(F-Evi No.10)がもっと盛り上がるはずだったのですが、下巻を手にとってもらえればご確認いただけます通り、最終章が始まった時点ですでに400Pを越えておりまして。自分が想定したとおりに最終章を書いてしまうと、おそらく650Pくらいになっていたと思うんですよね。

650P。

そんな小説、誰が読むんやねんという感じですね。俺だったら読まないです。そんな分厚い本読みたくないよ。ていうか持ちたくないやん。重いし。電子書籍で買いますわ。なので、家康に関するドラマは最低限で収めて、本筋であるオルガマリーの物語に注力せざるを得ませんでした。

だいたい650Pとかまでなっちゃうと、いっそ上・中・下巻にわけたほうが現実的だと思うんですが、そうなると、今度は「どこから下巻にするべきか?」という問題や「そもそも上中下巻構成においては中巻がまじで売れない」という元編集者のおともだち(ていうかろきさん)から頂いた助言もあったので、それは避けざるをえなかったのです。なんでも、上中下巻にすると、「上巻で話の概要を掴んで、下巻で結論だけ確認する」みたいな買い方をするユーザーが出てくるようで、おかげで中巻がぜんぜん売れないのだそうですね。まじかよ。そんな読み方するなんて小説読みの風上にも……絶対許せねぇ! 変身!(オレンジ) あとはアレですね、モチベーションの問題も非常に大きく、冬コミで中巻を出し、その次の夏コミ(8ヶ月後)に下巻となると、そこまで更にFGOに付き合うのかと考えるとただでさえ炎上で消耗していたのに、更に苦しくなりそうでしんどかったんですわ。なので、家康については色々とオミットして、話をまとめることを最優先しました。とはいえ、物語の根幹部分に関わるものはすべて回収したはずなので、これはこれで良かったと思ってます。

 ■家光について

そういうわけで今作もいつも通り、筆の暴走による良い意味での誤算はあったのですが、とりわけ一番良い方向に働いた誤算は家光についてでした。家光。いや、この際なので、彼のことはミッチーと呼ばせてもらいましょう。ミッチーは上巻の時点では「なんかこいつえらい中途半端なキャラだな……」とか作者である自分自身、首をかしげているところがあったのですが、とりあえず「しょうがないから」という極めて雑な理由で書き進めてみたところ、アラ不思議、後半のミッチーの内面シーンになった途端暴れ始めてマジかよという驚きがありました。特に「生まれながらに将軍とは、生まれながらに~」のくだりをミッチーが言い出した瞬間「お前そんなこと思っとったんか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」という作者ながらに純粋な驚きがありました。大変だったんだなミッチー。

あの一行を書いた瞬間「こいつは面白くなるぞ」と思ったもので、脳からアドレナリン太郎がじょばじょば出てきまして、その後は予想通りいい塩梅に盛り上げてくれました。あれのお陰でハンニバルとの対立構図がぐっと引き締まったので、本当にありがたかった。小説を書いていると、こういう自分も想像していなかった予想外のプラス作用がたまに起こったりするのですが、これが出たときが楽しいから、小説を書くのがやめられないところがあると思います。ハンニバルと家光が衝突するシーンは、おそらく読者の人々が予想している(?)とおり、一晩で一気に書き上げたのですが(もちろんプロットは事前に組んでます)、その日はアドレナリン次郎がジョボジョボでてきて興奮して寝られませんでした。ああいうのがあるから小説やめられない。

 ■執筆時期について

時期的なことについて言及すると、下巻の執筆を始めたのは2017年8月頃からで、そこから炎上する10月あたりまでに下巻の半分(アヴェンジャーとお月見するあたり)まで書いていました。で、炎上しててんやわんやになって執筆が完全に中断され、11月に入ってからようやく執筆が再開され、後半部分はすべてそこで書きました。その後12月2日に入稿しています。今考えると、よく後半部分を炎上後のあの時期に書けたなという感じですが、今考えると、よく後半部分を炎上後のあの時期に書けたなという感じですね……(同語反復)。極めて正常な精神状態で書いたつもりですが、振り返ると、なにか頭がおかしくなっていたのかもしれない。あとがきにも書きましたが、下巻を出さないというのは死んでもやりたくなかったので(※死んだらやれない)、とにかく必死だったとは思います。なんで書けたんだろう。わからん。なんもわからん。

ハンニバルについて

型月にふれた創作マンたるもの「ぼくのかんがえたさいきょうのさーゔぁんと」を妄想するのはもはや通過儀礼のようなものだと思っていますが、そのなかでもハンニバルは自分にとってのそれで、いつかFateの二次でなくとも、どこかで必ずハンニバルを題材になにか作品を作りたいと思っていました。初めてハンニバル・バルカに触れたのは極めてベタですが塩野七生さんのローマ人の物語ハンニバル戦記」なのですが、あれを読んだ瞬間「カッチョイイ!!!!!!!!!好き!!!!!!!!!!!」と思い、いつかハンニバルを題材すると決心したのでした。女の子になっちゃったけど。自由な彼女を書くのはとにかく楽しく、こいつのせいで会話文が無駄に長くなってしまい削るのに苦労した記憶があります(削りたくないけど削らないとページ数がふえる)。彼女がどんなキャラクターなのかはここでは書きませんが、自分のなかのハンニバル像をこれでもかと詰め込みました。象だけに(パオーン)。上巻下巻ともに大活躍する彼女ですが、彼女を書くのが好きでしょうがないのでどっかでまた書きたいな~~という気持ちがあります。とりあえず確定しているのはGWのコミック1で幕間の物語を書くことですが、それ以外にも何かしらの形で書きたいなぁ。……と思いつつも、彼女の物語についてはかなり「やりきった」感があるので、何を書けばええんじゃいという部分もあり。でも書きたいなー。ハンニバルがのびのびしてるとこまた見たいし。ハンニバルがピックアップされるまで頑張らなきゃ……(無理)。

 ■沖田さんについて

下巻でとにかく不憫な目に遭わせようと思っていました。でももっと残酷な展開にしたかったなー。でも概ね満足しています。上巻は好き放題ラブい感じで書いたんですが、下巻ではちょっと「これは沖ノブ派閥過激派に刺されるのでは???」みたいなことが頭を掠めてしまいやや控え気味になりました。チキンでごめんなさい。本当はもっとシロウと継承に絡んだ話をするつもりでした。原作FGOの沖田さんからすると人斬りに対してべつに悪いことともサッパリ思っていないのが普通の解釈にあたると思うのですが、そこであえて「人斬りはよくないことなのでは??」と気づいたなら(気づいてしまったなら)どうか?というところで書いたのがGOオルタでした。結果として、処理が難しくなってしまい、立香とのほのぼのシーンだけでよかったのではみたいな気持ちを反省がございます。でもまあ、かわいいからいいか。沖田さんすき。

■マシュオルタことアヴェンジャーについて

今作の一番キャッチーな部分を担当して頂いた鯖。GOオルタのコンセプトはいうまでもなくFGOの贋作であることであり、と同時にFGO原典並に高いクオリティであることだったんですが、それと同時に、そのコンセプトそれ自体を決定的に理解してもらう要素は不可欠でした。それにあたって、FGO最大の「顔」であり、FGOプレイヤーなら全員が知っており、と同時に誰も見たことがなく、しかも誰もが一度は考えたことがある……という要素をすべて満たすのは「マシュ・オルタ」しかありえず、彼女は企画をつくる初期段階から登場が決まっていました。上巻の表紙のもっとも目立つ位置に彼女がいますが、イラストを担当してくださったlackさんには、できるかぎりマシュだと一目で視認できるという点には十分注意してくださいとオーダーを出していました。作品のテーマを背負うのはハンニバルですが、もっとも企画を説明できるのはマシュオルタだったので。下巻の一番のポイントになっているのは、いうまでもなく「交換」のシーンなんですが、実はあれはプロットの初期段階では構想にいれてないものでした。あれは上巻執筆後に「ノワール」というアニメを見まして、あれのなかでミレイユ・ブーケが因縁の相手と凶器を交換して決闘するシーンがあり、それを見た瞬間にビビビビーーーッ!!!!!と「これだ!!!!!!!!」と思い、急遽展開に組み込むことになっていました。結果としては大成功で、本当に印象的なシーンに仕上げられたなあと思っています。ちなみに宝具の正体も初期には決まってませんでしたが、書いてる最中に「この設定ならこれしかありえないな」と追加された設定でした。

■師匠について

FGOにおけるワイカルデアの聖杯鯖は師匠と殺師匠と沖田さんの三人なのですが、師匠については原作での扱いに関して物足りない部分が多いので、その分「俺がやったろうやないの」という気持ちで書きました。本来もっと家康と絡む予定だったんですが、端折った関係であんな感じに。ロンギヌスオルタナティブを思いついたときはテンションが上がったのですが、冷静に考えて「ロンギヌスだけでもオリジナル要素でアレなのにさらに師匠のと混ぜたらさらにアレなのでは……??」と思い至り、やめようかなと思ったこともあります。が、最終的には「今更ためらってどーする」という開き直りのもとああなりました。師匠はもっとカワイイ感じに書きたかった。エロじゃない。カワイイ感じで。わかってほしいこの気持ち。外見はエロくてももっとかわいくしたい。あとめっちゃどうでもいい語りをしますが、師匠のエロ同人ってめちゃくちゃ大量にでていて、わたくし、それらにだいたい目を通しているのですが、いまだに納得できるものを見かけた記憶がなく、読み終わった瞬間にいつも「ちっがーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!!!!!!!!!!!!」とキレ散らかしています。どうでもいいですね。ごめんなさい。でもあたし、どうしても言いたかったの。ごめんね。

ところでこの記事、無駄にながくなっておりますが、その意図として「嫌いなやつが書いた長文記事など読まない」という行動を見越して、アンチ的な方がこの記事を読まないようにという意図が籠められています。アンチだと自称しつつこの記事を丁寧に読んでる人は粘着か変態かキチ◯イです。私にこだわるより、さっさと自分の人生を生きてくださいね(お父さんとの約束だぞ)。そして……読まれないように長々と前フリを書いたうえでやっと書けることですが、ありがたいことにGOオルタの売れ行きはたいへん順調でございますやったー!!!!!! 炎上の件があって、売れ行きにも影響がでるのかな……と危惧していたのですが、これマジで重要なので覚えておいて欲しいんですけれど「まっっっっっっったく影響なかった(!)」です。下巻も上巻も、炎上前後で売れるペースにまったく変動がなかったというか、メロンブックスで一度差し止めがあったときもそうでしたけど、販売が再開してからもまったく同じペースで売れています(これはサークルポータルページから確認できるのです)。なので「あぁ……炎上しようがしまいが、買う人は買うんだな。炎上に加わって騒いでいた人は、そもそも買わない人だったんだな」という知見が得られたのは、非常に有益でした。なんで、気にする必要まったくなし。これが理解できたのは本当によかったです。生卵ぶつけられなかったし。おかげさまでGOオルタは累計発行部数が4000部を超えまして、実売数でもすでに3000を超えています。これは漫画と比べてとにかく売れにくい同人小説本であることや、一冊あたりの単価を考慮すればとしては破格といっていい数字で、間違いなく大成功だったと思っています。ちなみにぼくはこうやって売れていくことに対してまったく悪いとは思いません。むしろ良いことだと思っています。だって売れる=儲かるということは、それだけ買った人達を喜ばせているということですからね。誰よりも自分が読みたかった本を自分が作って、それが誰かにとっても喜ばれるものだったということは、大変うれしいことです。今後も自分が楽しめるものをつくって、それで誰かが喜んでもらえるよう頑張りたいですね。たまに誤解されるのですが、私は売れる本が作りたいのではなく、自分が作りたい本が売れたらいいな、と思ってるだけですので(でも売れる本をつくるのが好きでもある)。

■コミック1について

すでにちらっと触れましたが、次のイベント参加はコミック1(4/30開催)になる予定です。何を出すのかというと……そう! Fateといえばアレ、シナリオが終わったら必ずでてくる「マテリアル」を作ろう(願望)と思っています。つまり「Alternative Material」としてオリジナルサーヴァントの設定集的なものを出そうかなと思っています。収録するのは、ハンニバルとマシュオルタのキャラクターデザイン画(初期案とかの本に収録していないやつとか)、あとキャラクター設定資料、用語集、ハンニバルの幕間の物語、とかその辺になります。「Alternative Material」は完全にうちの本を楽しんでくれた人向けにつくるので、少部数であんまり告知もかけない感じになると思います。作者からのありがとう感謝本みたいな位置づけです。あと俺が欲しいからつくる。やっぱりFateで二次創作やってここまでトレースしたなら、マテリアルまでやりきってこそでしょう。

とはいえ、実はすでに並行して動いてるものがこれ以外に2つあり、そっちに稼働が取られてしまうようなら作らないかもしれません。あくまで余裕があればやるぞ、という形で。ちなみに夏コミはまだ未定です。

  ■今後の活動について

コミック1と夏コミのことについては触れましたが、これ以外の活動についても触れておきますと、まだ公開できないけどやってる作業が一本あるのと、それとオリジナルでも小説書きたいなということで企画を作り始めているのが一本あります。前者はうまくいけば2018年中に公開できると思いますが、もしかしたらけっこう先になるかもしれません。後者のオリジナル小説つくるぞーーーというのについては、これも同人誌にするつもりですが、その前に小説家になろうで掲載してみようかなと考えています。小説家になろう。噂のあのサイトに……ぼくもついに……ではないのですが。昔ちょっとのっけたことありますけどね。ただ、なろうで小説書くといっても、最終的に同人誌にするわけなので、ただの同人誌を作る気はサラサラありません。今回も「ドゥフフ……」というオタク笑いが溢れる「自分が作りたい本」を作る予定です。ちなみに途中でほっぽり投げてるレトロミライではなく、完全に新規の企画になります(レトロミライはどうも自分の手に余りすぎた感があるので、いつかやりたいけどしばらく中断になりそうです寝……)。

2017年はGOオルタで世のオタクを仰天させたくて頑張りましたが(そして俺自身も仰天した感がある)、今年2018年はこいつで頑張りたいと思います。とにかく、創作活動は楽しくて好きなので、ずっと続けるでしょう。すでに今年は一月が過ぎましたが、それでは引き続きよろしくです。というかなんだこの記事は。よくわからん記事になってしまった……いつもだけど。まあいいや。そんじゃねー。